カジノと聞くと、フォーマルな服装に身を包んだ人々が集う豪華な場所を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。あるいは、狭くて薄暗い部屋で行われるポーカーの、緊張感に満ちた一場面が思い浮かぶという人も多いかもしれません。このようなカジノのきらびやかな雰囲気やゲームの緊張感をキャンバスに描きたいというアーティストも多いのです。 

 

世界中に何百万人といるギャンブルを楽しむ人々の中には、アートファンもおり、その2つが融合された世界を見たいと願っています。そんな方のために、今回は、ギャンブルとアートという2つの世界を同時に楽しめるアート作品をいくつかご紹介します。

 

ポーカーをする犬 

これは1894年から1910年にかけて描かれた一連の作品を指します。一連の作品の中で最初に描かれ、そして最も有名なのが「ポーカーゲーム」です。1894年に描かれたこの作品の作者は、アメリカの画家であるカシアス・マーセラス・クーリッジです。本作は、2015年に65万8,000ドルで売却されました。

 

全部で18点あるこれらの作品には、擬人化された犬が登場するという共通点があります。眼鏡をかけ、スーツを着て、帽子を被った犬たちが、ポーカーテーブルで葉巻を吸っています。犬が人間のように振る舞う姿が描かれているのは、人々の興味を引き、笑いを提供したいという意図が作者にあったからだそうです。

 

ダイヤのエースを持ついかさま師

本作は、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールが1636年から1638年の間に描いた油絵です。1972年にルーブル美術館が購入し、現在も同美術館に所蔵されています。

 

内容は、2人の女と1人の男がいかさまの共犯となり、若者から金を巻き上げようとしている場面が描かれています。実行犯の男が背中からカードを引き出しているのがわかります。若者は若く裕福で、余暇にカードゲームを楽しんでいます。

カード遊びをする人々

1890年にポール・セザンヌが描いた、5作品の総称です。そのうちの1作は、2017年まで2億5,000万ドルで最も高価な絵画作品でした。 

 

5作品とも、プロヴァンス地方の男性たちが描かれています。彼らは裕福でも貴族でもない普通の人々で、煙草を吸いながらカードゲームに興じています。これらの作品に共通するのは、ドラマ性、物語性、男性たちの多様性の欠如です。彼らは皆同じような服装で、同じ階級に属する人々です。

そのうちの1つの作品に描かれている2人の男性は、傍らのワインに手を付けず、お互いに落ち着いた表情でカードを見つめており、その動作だけが彼らの間の唯一のコミュニケーションとなっています。

 

この絵のモデルとなったのは、セザンヌの邸宅で働いていた人々です。ここまでご紹介してきた作品がこれほどまでに高額なのは、絵の内容そのものに理由があります。そしてこれらの作品を描いた巨匠たちは全員が亡くなっており、アート界で高く評価されています。どの絵もオリジナルで、その手法も作品が発するメッセージ性も、他人に真似できるようなものではありません。